tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

プライマリー・バランス(PB)が達成が出来ないと・・・

2018年06月23日 11時38分14秒 | 政治
プライマリー・バランス(PB)が達成が出来ないと・・・
 財政再建問題をもう少し真剣に考えないという意味で、この所、財政問題を取り上げていますが、問題は深刻の度を増していると思っています。

 2020年にPB達成の目標が達成されるようであれば、物事があまりひどくならに裡に財政、金融の正常化路線へのアプローチが可能になったのでしょうが、安倍政権は簡単に約束を反故にし、2025年に切り替えました。

 しかも未だ、2025年に確り達成という公約になっているのかも判然としません。そして、どちらかというと、2025年達成も無理だろうという意見の方が多いようです。

 歩調を合わせるように、日銀は2%インフレ目標を消しました。もともと少なくとも2%程度のインフレが無いとPB達成は不可能という試算だったようですが、ゼロ金利で2%インフレでは実質金利はマイナスで、これは実際には価値のあるおカネを政府・日銀が価値が無いと決めているという事ですから、そう無理はできません。

 何でそんなことになるのかと言いますと、カネを借りている政府が、「お金なんぞは価値がないのだから、借りても金利など払う必要はない」という事にしたいからでしょう。(貸している国民は、自分の大事な金を貸しているのだから、まともな利息をつけてほしいと思っているのです)

 本当は政府が必要とする金は税金や社会保障の拠出金で賄わなければならないのですが、増税をすると政府の人気が落ちるので、政府はついついタダ同然の借金に依存することになります。国民も、増税は嫌だが、政府にカネを貸すのなら良いという所でしょうか。

 これで済めばいいのですが、PBが達成できないと借金は無限に増えていきますから、いつかは限界が来ます。ゼロ金利でなくなれば、税府は国債利息も借金で払うしかありません。国債1000兆円で1%金利が上がれば、10兆円、財政支出は1割増えます。

 いずれにしても、どこかの時点で、「 巨大な金を民から官に移転」しなければならない時が来るのです。PB回復の時を延ばせば延ばすだけ、その時のショックは大きくなります。

 安倍政権は人気取りのためにその時期を延ばし、国民も増税延期で助かったと思っているというのが現状でしょう。
 ポピュリズムの政治、近視眼的政治というのは、こういう事なのでしょう。

 偶々民間の経済力が強く、政府の借金を何とか支えてきた日本ですが、日銀が国債の4割も持つようになると、そろそろ限界でしょう。国民の頑張りに、政府が安易に乗ってきたというのが日本の姿のようです。

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